ピラティスって本当に効果があるの!? 腰痛への効果は科学的根拠(エビデンス)があるか調べてみた。

ピラティスは本当に効果があるの?
科学的根拠とリハビリテーションについて

ピラティスはそもそもはリハビリテーションの概念が発祥の起源にあります。

J.H.ピラティスさんという人が、戦時中に負傷した兵隊のベッド上でのリハビリテーションとして考案されたエクササイズされているのです。

リハビリテーション現場でとしてピラティスが応用されるというのは当然といえば当然なのです。

でも、ピラティスには科学的な根拠はあるのでしょうか?

 

理学療法士が医療現場においてリハビリテーションを提供する場合に、根拠に基づいた理学療法(Evidence-based Physical Therapy,EBPT)を実践してゆくことが求められます。

できるだけ「患者さんに提供する評価や治療が科学的な根拠があるもの」、つまりエビデンスが高いものであるということが推奨されます。

「エビデンスなんて関係ない!」
「人はそれぞれ違っているんだから、その人に合ったものが提供できればなんでもいいじゃないか。」

そんなことを考える人もいるかもしれません。

EBPTというのは、必ずしもエビデンスの高いものや診療ガイドラインで推奨グレードの高いものを提供しなればならないというわけではありません。

最終的には目の前にいる対象者に対してベストなものが提供することが必要です。

ただし、これはその理学療法士がそれぞれの評価や治療に対するエビデンスの有無や推奨グレードを知っているかどうかということが前提となります。

その情報を知っていて、その上で対象者に応用するかしないかという判断をするべきなのです。

例を挙げると
「ピラティスが腰痛に対してエビデンスがあるかないか?」という点について、まずはその情報を知った上でピラティスを腰痛のある対象者に応用するかどうかを判断すべきであるということです。

ピラティス(Pilates)とは? どんな効果があるの? -基本原則と予防医学の関係から-

2017.04.16

 

 

ピラティスはアートか?

呼吸 購入

ピラティスというのは単なるエクササイズではありません。
「コントロロジー」という身体と心の双方をコントロールしてゆくとうコンセプトが土台にあります。

・身体をコントロールすることで心もコントロールする。
・心をコントロールすることで身体もコントロールする。

身体と心のバランス・協調性を重要視しているのです。

科学的な部分ではどうしても表現することができない「アート」の要素もあります。

アートの語源は、ラテン語の「アルス【ars】」で、「技術」や「技量」との意味があります。

これらは臨床の現場であったり自分自身のピラティスの実践における経験からしか導くことのできない部分であり、研究でなにか証明をするというということが難しい領域です。

また、ピラティスと一言でいっても、指導する側の技術的な違いがあるので研究としてバイアスがどうしても大きくなってしまいます。

そのため、ピラティスが科学的に根拠があるとかないとかという議論はすべきでないという考え方もあるかもしれません。

しかし、やはり現場でピラティスをリハビリテーションとして提供してゆこうと考えた場合にエビデンスの有無の確認は必要なことではないかと思います。

 

エビデンスの高い情報とは?

ピラティスのエビデンスを調べる前に、まずどのような情報がエビデンスが高いのかということを知っておく必要があります。

エビデンス.001

1のシステマティックレビュー・メタアナリシスという手法で研究されたデータが最もエビデンスが高いとされています。

2のRCTは医療現場において治療や介入効果を判定する上で重要な手法とされています。

つまり、1や2の情報がエビデンスが高い情報ということになります。

詳しくは下記の記事をご参照ください。

 

ピラティスの腰痛に対する効果はエビデンスが高いのか?

ピラティスの腰痛に対する効果を検証している文献を検索してみました。

まずはエビデンスの最も高いシステマティックレビューを検索するために、PEDroで検索をしてみました。

☑︎PEDroとは?
インターネット上に公開された理学療法領域における文献データベースであり、システマティックレビューなどの情報を提供している二次情報源です。

①PEDroで検索してみた。

研究 ピラティス.001 研究 ピラティス.002

Effects of Pilates exercise programs in people with chronic low back pain: a systematic review

Patti AB, A, Paoli A, Messina G, Montalto MA, Bellafiore M, Battaglia G, Iovane A, Palma A
Medicine 2015 Jan;94(4):e383

タイトル:慢性腰痛の人々へのピラティスエクササイズの効果(システマティックレビュー)

英語論文ばかりで英語論文がほとんど読めない自分にとってはそこがハードルになってしまいました。(学生時代やったのに・・・)

そこで、とりあえず上記の論文を翻訳サイトで日本語に変換してみました。

翻訳サイトでは正確な日本語訳にはなりませんが、なんとなく概要を捉えることはできます。

翻訳した結果・・・

残念ながらシステマティックレビューにおいて、ピラティスが慢性腰痛に対する有効性は十分に根拠のあるものとはいえないとのことでした。
ただし、ピラティスが痛みを和らげるという現場での意見を支持するものであったというような内容でした。

※英語の読める方は是非、和訳していただけると有り難いです。

 

②Pub Med(日本語翻訳版)で検索してみた

PEDroは英語検索しかできないようなので、PubMedで検索してみました。

PubMedは自動で和訳してくれるシステムがあるようなのでこちらを使ってみました。

研究 ピラティス.004

こちらでもシステマティックレビューやRCTでの研究報告が見つかりました。

PEDroよりも和訳がすぐに得られるのでわかりやすかったです。

研究ピラティス.001

 

日本のピラティスの研究報告を検索してみた

ピラティスの研究は海外では様々な報告があることがわかりました。

一方で日本でのピラティスに対する研究報告は多くありません。

日本語論文をCiNiiで検索をしてみました。
スクリーンショット 2016-03-01 18.33.02(2)

・学会抄録:運動療法としてのPilates効果の追求(第一報)(慢性腰痛)

・学会抄録:運動療法としての Pilates 効果の追究 第二報(変形性膝関節症)

・原著論文:ピラティスの初級者用エクササイズプログラムの運動強度と運動中および運動後の心血管系応答 : 速歩との比較から

 

 

まとめ

ピラティスの腰痛に対する効果などについてエビデンスがあるのかを検索サイトを使用して調べてみました。

エビデンスが最も高いとされるシステマティックレビューの手法で海外では腰痛へのピラティスの効果を検証した報告が多くありました。
しかしながら、腰痛に対するピラティスの効果はあると示唆されるものの、それは高いエビデンスレベルにはないというような内容でした。

ただ、腰痛以外の疾患に対してもピラティスの効果にポジティブな見解を示している論文も多いです。
これらの点から科学的にも臨床上でピラティスは有効であると考えることができるのではないでしょうか。

ピラティスの科学的根拠とアートの要素。
リハビリテーションとしてピラティスを応用してゆく上で、どちらも上手に統合して目の前の対象者に最良の介入ができるようにしてゆきたいですね。

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