体幹と股関節の安定性を高める中殿筋トレーニングの基本【リハビリ自主トレ】

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股関節でとても重要とされている筋肉。中殿筋。

「中殿筋(ちゅうでんきん)」という筋肉。

これは股関節の外側に位置する筋肉で、股関節の安定性を高めて安定した歩行の獲得のためのとても重要であるとされている筋肉です。

中殿筋

中殿筋  版権: / 123RF 写真素材

股関節の殿筋は3つあります。その一つが中殿筋です。
・大殿筋
・中殿筋
・小殿筋

そのため、中殿筋のトレーニング・エクササイズというのはリハビリの現場でもよく行われています。

中殿筋は股関節を外転(外に開く)作用があります。
よって、「中殿筋を鍛える=足を外に開く運動」というのは間違いではありませんが、単に足を外に開けば中殿筋が適切に鍛えられるわけではありません。

足を開く動きをしていても、実は中殿筋がうまく使えておらず他の筋肉で見かけ上の足を開く運動をしているだけに過ぎない場合があるため注意が必要です。

ポイント
目的とする筋肉ではなく他の筋肉で行う見かけ上での動きを「代償動作」といいます。筋力トレーニングをする際にはこの代償動作に注意をしながら行うことが大切です!

今回は、ベッド上でもできる代表的な中殿筋トレーニング方法を解説してゆきます。

 

 

【動画】代償動作に注意をした中殿筋トレーニング方法

 

 

 

この中殿筋トレーニングのポイントは?

動画では一般的に行われている、横向き姿勢(側臥位)で足を外側に開く運動を紹介しました。

動き自体はとてもシンプルです。
上側の足を持ち上げる・下げるの繰り返しです。

しかしながら、これが意外と奥が深いのです。
足を高くあげられるようにしたいわけではありません。
中殿筋を鍛えたいのです。

代償動作に注意をしなければ、中殿筋は働かずに他の筋肉を一生懸命に鍛えて身体のアンバランスさを助長して逆効果にもなりかねません。

中殿筋トレーニングの基本方法

中殿筋トレーニングの基本方法

【基本的な方法】
①横向きに寝る。
②頭にはタオルや枕で少し高さを作る。
(頭〜体幹が直線上になるように)
③下側の足は膝を曲げる。
④上側の足を股関節から持ち上げる。
⑤ゆっくりと足を下ろす。

【注意点/ポイント】
・「股関節だけ」が動く
・体幹と足は直線上の位置関係を保つ
・腰は動かないようにする(中間位を保つ)
・余裕があれば足を少し後ろに引く(股関節伸展)

 

 

ポイント①体幹(腰部)を安定させた状態で行う

股関節の運動ではありますが、その前提として体幹(特に腰部)が安定させた状態を作ることが必要です。

体幹という土台が安定していなければ、股関節はうまく力を発揮できないからです。

開始姿勢を安定させよう

そもそも側臥位姿勢(横向けの姿勢)というのは支持面が狭く(床と身体の接する面積が狭い)ので仰向け姿勢などと比較すると不安定な姿勢です。

そのため、開始姿勢を安定させることが大切です。
上の図のように、下側の足を曲げたり、頭にタオルや枕を入れることで調整をしましょう。

 

股関節が動いても体幹(腰部)がぶれないようにしよう

股関節と腰は隣接した位置関係にありますので、腰は股関節の動きの影響を大きく受けます。

このトレーニングは股関節と体幹(腰部)を分離させた運動をさせたいのです。

しかし、股関節を動かそうとして、体幹(腰部)まで動いてしまう。
股関節の動きを体幹で補う代償動作をしている状態です。

【よくある代償動作】
・体幹(腰部)が捻ってしまう
・骨盤を引き上げるようにしてしまう。

体幹の安定性に注目

体幹の安定性に注目

これらの動きを繰り返していると、股関節の動きをするたびに腰に負担がかかることになります。
特に腰部疾患の方が行う場合には注意が必要です。

ポイント
股関節の動きをしても腰に負担をかけないようにするという視点で考えてみましょう。
体幹(腰部)を安定させながらこの足の上げ下げの運動を行うこと自体が体幹トレーニングになります。
ポイントは「腰部の中間位を保つ」ことです。
視点を変えれば腰部疾患へのアプローチにもつながりますね。

【補足】
「体幹の安定性を高める・腰部の中間位を保つ」について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

【リハビリ自主トレ】体幹(腰部)の安定性を高める腸腰筋エクササイズ

2016.04.29

 

腰部での代償を抑制するためには?

腰部での代償を抑制するには、体幹筋を高めることが必要ですが意識をするだけで過剰な代償動作を抑制することができます。

足を上げてゆく際に、「足が遠くに伸びてゆくようなイメージをもつこと」です。

このイメージを持ったままトレーニングを行うだけで自然と腰部の代償動作を少なくすることができます。
とくに骨盤を引き上げる代償に効果的です。是非ためしてみてください。

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ポイント②体幹〜足は直線上の位置関係を保つ

このポイントは簡単そうで多くの人が最初はうまくできません。

以下の【良い例】【良くない例】の図をみてみましょう。

【良くない例】で多いのは開始姿勢からそのまま真っ直ぐ上に持ち上げるだけなのに、いつのまにか足が前方に出てきてしまっている(股関節が屈曲している)ケースです。

中殿筋を適切にトレーニングするためには、足を持ち上げる際の体幹との位置関係が非常に重要です。

良い例と良くない例

良い例と良くない例

 

なぜ足が前に出ると良くないの?

足を持ち上げようとして、足が前に出てしまうのは代償運動の典型例です。

中殿筋が弱いのを補おうとして、他の筋肉が足を持ち上げる動作を補おうとしているのです。

足を上に持ち上げる動作は「股関節の外転」といいます。

股関節の外転を行う筋肉は中殿筋以外にもいくつかあるのですが、この時に代償的に働きやすいのが大腿筋膜張筋という筋肉です。

大腿筋膜張筋は股関節の前方に位置する筋肉で、股関節の外転・屈曲・内旋という作用をもっています。

中殿筋と大腿筋膜張筋 版権:  / 123RF 写真素材

中殿筋と大腿筋膜張筋
版権: / 123RF 写真素材

股関節屈曲というのは股関節を曲げる動きで、結果として足が体幹よりも前に出ることになります。

つまり、上の【良くない例】ように足を持ち上げようとして足が前に出てしまうのは大腿筋膜張筋の作用がメインで運動が行われており、中殿筋は適切に作用していない可能性があるのです。

 

大腿筋膜張筋ではなく中殿筋で足を持ち上げよう

人の身体の特性として、弱い部分を他の部分で補おうとしてくれる仕組みがあります。

大腿筋膜張筋は中殿筋の作用を補ってくれるありがたい存在なのですが、これに頼ってばかりいるとトラブルの原因となります。

中殿筋はどんどん怠けてゆき、筋力低下が進んでゆくという悪循環に陥ってしまうのです。

悪循環を断ち切るために、大腿筋膜張筋の活動は抑制しながら中殿筋を働かせるというトレーニングが必要になってくるわけです。

「他の人に仕事を任せてサボっていると、最終的にはしっぺ返しがくるので早めにしっかりと仕事させましょう」というようなイメージです。

 

 

ポイント③余裕があれば足を後ろに引いてみよう

少し難易度が上がりますが余裕がある人は、足を持ち上げる際に真上ではなく少し後ろに引いた状態にしてみましょう。(股関節軽度伸展位にする)

なぜ後ろに引くのでしょうか?

この理由としては、中殿筋の後部線維を働かせるためです。

中殿筋は前方に位置する前部線維と後部線維で構成されています。

この中の後部線維は弱くなりやすい傾向にあるので、部分的にトレーニングをする必要があるのです。

中殿筋後部線維を働かせる方法

中殿筋後部線維を働かせる方法

【前部線維と後部線維の作用の違い】
・中殿筋前部線維:股関節の外転・屈曲・内旋
・中殿筋後部線維:股関節の外転・伸展・外旋

前部線維と後部線維は同じ股関節外転という作用は持っていますが、作用が異なる点があります。

後部線維の作用を引き出すには、外転に加えて伸展と外旋の動きを入れることです。

股関節の伸展:足が体幹よりも後方に位置する動き
股関節の外旋:股関節をひねってつま先が外側に向く動き

※紹介した動画では股関節の内旋・外旋は変化ありませんが、股関節伸展位にして行っています。

 

 

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