【退院後のリハビリ】自主トレーニングを継続してもらうために必要なこと

退院後のリハビリ(自主トレーニング)が実は最も重要

自主トレーニングの指導というのは、リハビリテーションを提供する上で非常に重要です。

いくら入院中にすばらしいリハビリテーションが療法士のいる環境で実施され、効果絶大であったとしても退院後に
「リハビリの先生が側にいなくなった環境では何もできません。」
「一人では何をしたらいいのかわかりません。」
といった状態になってしまえば、身体機能は十分に維持できない可能性があります。

退院後は自分また家族の協力の元で継続して身体管理をしてゆくことが基本なのです。

入院中のリハビリと同じくらい。
いや、退院後のリハビリ(自主トレーニング)がとても重要です。

これは病院勤務の療法士の多くが頭を悩ませる部分でもあります。
重要であるとわかっていながら、この自主トレーニングの指導・管理が苦手な療法士は多いです。

それは患者さんに指導をしてもなかなか定着しない・継続してもらえないという点でしょう。

 

 

自助・セルフケアの能力を高めよう

近年、重要視されてきている地域包括ケアの考え方に「4つの支援」というものがあります。

この4つの支援とは「自助・互助・共助・公助」の4つです。

その中でも「自助」が中心であり、個々の自助の力を高めてゆくことが大切とされています。

【自助(じじょ)とは?】
*自分でできることは自分で行うこと。

自分の力で住み慣れた地域で暮らすために、介護予防活動に取り組んだり、健康維持のために検診を受けたり、病気のおそれがある際には受診を行うといった、自発的に生活課題を解決する力。

「できるだけ入院期間を短くして、在宅生活に移行しましょう。」
「基本は在宅生活です。」
というスタンスです。

そのため、在宅生活において重要なのは自助であり自分の身体管理を可能な範囲で行ってゆく、セルフケア・セルフマネジメントの力を高めてゆくことの重要性が近年はより一層高まっています。

 

 

患者さんが自主トレを継続できないのは療法士の責任

患者側の要因か療法士側の要因か?

「指導しても患者さんが継続できないから指導しない。」
というような発言をする療法士がたまにいます。

継続できない理由を「患者さん側の要因」として捉えているのです。

確かにどれだけ工夫しても頑張って指導しても自主トレが行えない方もいます。
身体的・認知面的に困難な方もいます。

そのようなケースを除いて考えた場合、本当に自主トレを指導しても継続できないのでしょうか?

指導する側が最初から「指導してもどうせできない」という先入観の上でやっていては絶対に患者さんは自主トレの定着・継続ができません。

患者さん側の要因にするのは言い訳であり、療法士側に問題がないかを考えなければなりません。

 

入院中にいかに自主トレを定着させるか?

ベッド上でも自主トレはできる

ベッド上でも自主トレはできる

退院直前になって、やっつけ仕事のように用紙を渡して形式だけの自主トレ指導では患者さんには伝わりません。

患者教育をしてゆくことは療法士にとっての必須の業務です。

「忙しいから自主トレ指導があまりできませんでした。」というのは少し違いと思います。

自主トレの定着と継続は退院後の患者さんの生活に大きく関わります。
再発予防などの側面からも必須であり、入院中からいかにしっかりと丁寧に指導をしておくかが重要な点であると考えています。

どうしても一人でできない患者さんには、そのご家族を巻き込んで指導することも手段の一つです。

入院中に定着できなかった自主トレーニングは退院後も行えない可能性が高いです。

練習でできないことは本番でもできません。

 

 

指導する側が自主トレを継続した経験があるか?

個人的にはこの部分を強調したいところです。

例えば。
・太った人にダイエットの方法を指導してもらいたいでしょうか?
・テニス好きで観戦することが趣味だけど、実際にはテニスをしたことがない人にテニスを教えてもらいたいでしょうか?
・自分よりも体の硬い人に、柔軟性を高めるストレッチを指導してもらいたいでしょうか?

頭でっかちでいくら知識があったとしても、自己の経験がない人から受ける指導というのはどうしても信頼性に欠ける部分があるということです。

 

リハビリテーションの現場においても同じことが言えるのではないかと思います。

療法士が片麻痺になったり骨折を経験を自分からすることは困難です。

しかし、通常の筋トレやストレッチを経験をすることは可能です。

大事なのは指導する側の療法士自身がそもそも自主トレーニングを継続した経験があるかどうかです。

「どうせ自主トレ指導しても続かないよ。」

なんていう人は、そもそも自分が継続をしたことがないのです。

人に継続をするためのコツを教えるには、どんなに理論的な方法論を並べるよりもまずは自身が経験をするほうが先だと思うのです。

 

 

自分が自主トレを継続することで見えてくるもの

「自分の経験したものは必ず人に伝えられる。」

僕はこの言葉を大事にしています。

例えば、骨盤の中間位(ニュートラル)をスクワットの動作の時に保持をすることを目標とします。

スクワット

【良いスクワットのフォーム】 版権: / 123RF 写真素材

この時には骨盤の中間位がどのようなポジションかを自分がイメージして体性感覚的にも理解をしておく必要があります。

また、スクワットで重心を落としてゆく際には股関節の屈曲がしっかりと行える必要があります。

これらは文章にすると簡単ですね。
患者さんにスクワットを指導する際にも、口頭で言うのは簡単です。

では、実際に自分が行ってみるとどうでしょうか?

意外と難しいのです。

人には偉そうに指導していても、実際には自分ができないというのはなんとも説得力がありません。

一方、正しいフォームでのスクワットができるようになるまでの過程を自分が経験していれば、目の前でうまくできずに困っている患者さんの気持ちに寄り添うことができます。

正しく行えるまでにつまずきやすいポイントも理解できるし、それに対する対処法も提示しやすいはずです。

「自分の経験したことは必ず人に伝えられる」はずです

 

自主トレを継続した時に起こる身体の変化・成功体験

自主トレの継続というのは、簡単なことではありません。

継続をする上で大切なのが達成感であったり成功体験です。

頑張ったからには何かしら見返りが欲しいのです。

自主トレをすることで「体が動きやすくなった。体力がついた。痛みが減った」など様々なポジティブな効果が感じられると一番よいです。

そんな経験を療法士自身がしておくこと。
その成功体験を患者さんにいかに感じてもらえるか?という視点で指導をすることも大切です。

 

 

まとめ

・自主トレーニングの必要性は高まってきている。

・入院中にから自主トレの定着を図ってゆくことが大切。

・患者さんが自主トレの継続できないのは療法士の責任。

・療法士自身が「自主トレの継続」という経験をすると良い。

・「自分の経験したことは必ず人に伝えられる」。

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