がん(癌)性疼痛に対する薬物療法とリハビリテーション

がん性疼痛と骨転移痛

痛みの性質は、体性痛・内臓痛・神経障害性疼痛に分類され、骨転移痛は体性痛の代表格であるとされている。

がん関連疼痛(cancer-relatedpain)の多くは骨転移による痛みとされており、がんと診断されて患者の半数以上が骨の痛みを訴えるという報告もある。

骨転移痛には特別な鎮痛治療があるわけではなく、他のがん疼痛治療が基本となる。

骨転移に関する基礎知識まとめ【がんのリハビリテーション】

2016.09.22

【痛みの種類】
・持続痛:長時間持続する疼痛
・突出痛:短時間に増強する疼痛

骨転移痛は、体動時に突出痛が生じやすく、転倒などによる骨折のリスクが潜在的にありそれがQOLに著しい影響を与える可能性がある。

 

 

疼痛に対する薬物療法

非オピオイド鎮痛薬とオピオイド鎮痛薬

がんの痛みの治療に使用される鎮痛薬は、大きく「医療用麻薬」と「それ以外の鎮痛薬」の2つに分類されます。

【非オピオイド鎮痛薬】
痛みが弱い段階で最初に用いられる鎮痛薬は、非オピオイド鎮痛薬とも呼ばれる。
このグループの薬は、医療用麻薬ではない。

非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
侵害受容器は物理的刺激だけでなく、周囲の細胞から放出される化学物質によっても刺激を受けます。侵害受容性の痛みを抑える為には、炎症物質を作らせないことが重要です。

この作用を通じて鎮痛効果を発現する薬が消炎鎮痛剤です。この群に属する薬は、解熱鎮痛剤としてよく用いられている非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)と、副腎皮質ステロイド(ステロイド剤)があります。
非ステロイド性消炎鎮痛剤とステロイド剤は、ともに炎症物質を作る過程を阻害することで鎮痛効果を発揮しますが、両者は作用点が異なります。

*引用:http://www.central.or.jp/central/024.htm

 

 

【オピオイド鎮痛薬】

医療用麻薬とは、法律で医療用に使用が許可されている麻薬のことです。
薬理学的には、オピオイド鎮痛薬というグループに分類されます。
オピオイド鎮痛薬は、いわゆるニュースなどで報道されている“乱用麻薬”とは全く別のものであり、経験のある医師の処方や指示にしたがって、正しく使用されれば、麻薬中毒になったり依存症になったりすることはありません。

オピオイド鎮痛薬は、鎮痛効果の違いによって、強オピオイドと弱オピオイドの2つに分けられます。強オピオイド鎮痛薬は、がんの痛みに対して最も強力な鎮痛効果があり、モルヒネがその代表です。

*引用:がんの痛みネット

 

疼痛の段階と薬物療法

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WHO方式がん疼痛治療法

【第1段階:軽度の痛み】
骨転移痛を有する患者に対して、第1段階の薬剤として非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)および、アセトアミノフェンが処方されることが多い。

NSAIDsとしてロキソプロフェンやジクロフェナクなどが一般的であるが、胃潰瘍のリスクが少ないといわれるセレコキシブやメロキシカムなども用いられる。

*第2段階・第3段階でモルヒネやオキシコドンを開始した場合にNSAIDsを中止するのではなく、併用したほうが相加効果がある。

 

【第2段階:中等度までの痛み】
NSAIDsだけでは痛みが十分取れないとき、弱オピオイドを併用して使用。
それまで使っていたNSAIDsに併用することが大切。
両者は鎮痛剤としての作用機序が異なるため、同時に使うとお互いの作用を補い合うことができる。

 

【第3段階:中等度から高度の痛み】
第2段階の薬では十分に痛みが取れないとき、オピオイドを使用。
オピオイドには、モルヒネの他に、フェンタニル、オキシコドンなどが使用される。

*モルヒネの副作用
便秘・嘔吐・眠気・呼吸抑制などがある。

 

鎮痛薬使用の5原則

・できるだけ経口で
・時間通りに
・痛みの強さに応じた鎮痛薬を
・患者ごとに適量を決めて
・そのうえで細かい配慮を(服薬指導・副作用対策など)

 

 

疼痛緩和治療とリハビリテーション

疼痛はコントロールは本人の苦痛を和らげる上で重要。
また、リハビリテーションを実施する上でも大切なポイント。

疼痛緩和の目標

①痛みに妨げられない夜間の睡眠の確保
②安静時痛の除痛
③体動時痛の除痛

リハビリテーションを実施する上でコントロールしたいのが、体動時痛である。
そのため、リハビリテーションを実施前にレスキューを使用して対応する。

 

ベースとレスキュー

【ベース(除放剤)】
・持続痛に対して
・作用時間:長時間(12時間・24時間等)
・作用発現時間:長時間(1時間〜)

【レスキュー(速放剤】
・突出痛に対して
・作用時間:短時間(4時間程度〜)
・作用発現時間:短時間(10分程度〜)

リハビリテーションの30分前にレスキューを使用。
これは体動時の疼痛を予防する目的。
注意点としては、一時的に眠気が強まることがあるため転倒などのリスクが高まる。
また、リハビリ実施中の疼痛の状況を評価して医師や看護師に報告をして、必要に応じて薬剤の調整をしてもらうことも大切。
 

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