体幹の超重要なインナーマッスルはこの5つ! -機能解剖とトレーニングのポイントについて解説-

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そもそも、「体幹(たいかん)」ってどこ?

体幹とは人間の身体の中で、土台となる場所です。

体幹は一般的に手足・頭を除く胴体の部分をしめします。

体幹をもう少し細かくわけると、骨盤・腰部・胸部・肩甲骨に分かれます

*この記事では骨盤〜腰部の安定性をメインに解説をします。

人が手足を動かすような動きにおいて体幹が安定していることが大切です。

体幹がグラグラで不安定な状態では、手足がどんなに筋力があったとしても十分な力が発揮できません。

よって、体幹という場所は人の動きにおいて土台となる非常に重要な部位なのです。

 

 

 

体幹の重要な筋肉
インナーマッスルとは?

体幹の筋肉の中でも特に重要とされるのが、インナーマッスルといわれる筋肉です。

人体の構造(内蔵を除く)は内側から外側に向かって骨・筋肉・筋膜・脂肪・皮膚の順番で構成されています。

筋肉は細かくわかれていて層構造になっています。

筋肉は大きくわけて以下の2つに分かれます。
①アウターマッスル
②インナーマッスル

 

 

アウターマッスルとは?

アウターマッスルの発達した女性

アウターマッスルの発達した女性

①アウターマッスルは「アウター」という名の通りで、外側に位置する筋肉です。

代表的なのが、腹直筋・大腿四頭筋・上腕二頭筋などです。

これらは力をいれると表面的にモリッと盛り上がってくる、見た目的にも存在しているのがとてもわかりやすい筋肉です。

アウターマッスルは大きな筋肉で、力強く素早い動きをすることが得意な筋肉です。

筋肉の線維:速筋線維(Type2線維)の割合が多い

100m走の選手をイメージしてみてください。

100m走というのは約10秒間という短い時間で人間の持つ最大の力を発揮する必要があるので、筋肉には瞬発力と力強さが求められます。

そのため、100m走の選手はアウターマッスルが発達していてムキムキで体の大きい人が多いのです。

 

 

 

 

インナーマッスルとは?

インナーマッスルは「インナー」ですから、内側に位置する筋肉です。

これが体幹の安定化にはとても重要。

代表的なのが、腹横筋・横隔膜・骨盤底筋群・多裂筋などです。
(*各筋肉については下記で詳しく説明をしています!)

これらは、鍛えたとしても表面的には見た目はあまり変わりません。

小さくて細い筋肉が多いからです。
また、その上にアウターマッスルが存在していますので表面から直接ふれることが難しい筋肉です。

インナーマッスルは弱い力で持続的に働くことが得意な筋肉です。

筋肉の線維:遅筋線維(Type1線維)の割合が多い

 

マラソン選手をイメージしてみてください。

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すらっとした体格のランナー

マラソンという競技は、2時間以上も走りつづけなければなりません。
いわゆる「持久力」が重要です。
持久力は心臓や肺も大切ですが、筋肉が持続的に働かせられるか?という点も大切なのです。

そのため、マラソン選手はインナーマッスルが発達しています。
見た目的にはスラッとした細みの人が多いですね。

 

 

 

 

体幹を構成する超重要なインナーマッスル5つ

体幹を構成するインナーマッスルを5つ紹介します。

「この筋肉が一番重要!」というのはありません。
全てが重要な筋肉です。

各筋肉の細かな起始や停止(どの部位に筋肉がついているか)は参考程度でよいかと思います。
それよりも、筋肉の位置を図としてイメージすることと・運動作用を理解しておくとよいかと思います。

インナーマッスルをトレーニングする際には、その筋肉の場所と動きを意識することがとても大切だからです。

 

①横隔膜

横隔膜は胸郭の下側に位置しており、呼吸筋としても最重要な筋肉

呼吸運動では息を吸う時に横隔膜が先行的に収縮をすることで肺が拡張する。

太い血管(腹大動脈・下大静脈)横隔膜を通過しているので、横隔膜の収縮・弛緩は血液循環においても重要。

横隔膜 有料

横隔膜(おうかくまく)  123RF 写真素材

 

【起始(下位付着部】
胸郭・胸骨・椎骨の内側面

【停止(上位中心付着部】
 横隔膜の中心靭帯

 

【運動作用】
 胸郭の容積の増大
 

【神経支配】
 横隔膜神経

 

 

 

 

②腹横筋

腹横筋は腹筋群の中で、最も内側に位置する筋肉。

表層から腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の順。

腹横筋は横方向にコルセットのように腰回りをぐるっと囲むように走行していることから
「コルセット筋」ともいわれる。

腹筋群 版権:  / 123RF 写真素材

腹筋群
版権: / 123RF 写真素材

腹横筋購入

腹横筋(ふくおうきん) 123RF 写真素材

 

 

 

【起始(近位付着部】
鼠径靭帯・腸骨稜・胸腰筋膜・下位肋軟骨

【停止(遠位付着部】
腹部健膜

【運動作用】
 腹圧を保つ
 腹部を安定させる
 呼気(息を吐く)
 

 

 

 

③多裂筋

多裂筋は骨盤から頭部にかけて走行している長い筋肉。
腰多裂筋 ・胸多裂筋・
頸多裂筋の3筋に分類される。

腰部体幹の安定化において特に重要なインナーマッスルが腰部多裂筋

【補足】椎間板ヘルニアの患者は多裂筋の萎縮・脂肪化が問題となることが多い。

ヘルニア患者の多裂筋の萎縮

腰椎ヘルニア患者の多裂筋の萎縮

多裂筋

多裂筋(たれつきん)  123RF 写真素材

 

【起始】
仙骨と仙腸靭帯・腰椎の乳頭突起・胸椎横突起
下位4個の頸椎の関節突起

【停止】
軸椎をふくむ全ての椎骨の棘突起

 

【運動作用】
 脊柱の支持
 脊柱の伸展・回旋・側屈

 

 

 

 

④骨盤底筋群

骨盤底筋群(こつばんてきんぐん)とは、骨盤の下側に位置する一部の筋肉の総称

骨盤の下側に位置しているので、その上にある膀胱や腸などの内臓が重力で下がりすぎないように筋膜や靭帯組織と共同してハンモックのように支えている。

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)    【123RF 写真素材】

①第1層:臓側骨盤隔膜
骨盤腔内の臓器の表面を覆い、臓器間を埋める結合組織のこと。

②第2層:骨盤隔膜
主に肛門挙筋と尾骨筋からなる。

1)肛門挙筋
 ・前部:恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋
 ・後部:腸骨尾骨筋

2)尾骨筋

③第3層:尿生殖隔膜
恥骨結合と両側の坐骨結節との間にあり、上下の筋膜層からなり、その間に浅および深会陰横筋、球海綿体筋、坐骨海綿体筋、尿道括約筋がある。

 

【運動作用】
①排尿・排便動作のコントロール 
②姿勢保持(体幹のインナーユニットとしての作用)

 

 

 

⑤大腰筋

大腰筋は体幹と股関節をつないでおり、体の中央に位置する身体の柱となる筋肉。

一般的に体幹のコアユニットを構成するインナーマッスルは①〜④の横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群をさすことが多い。
(*コアユニットに関しては下記で説明しています。)

しかし、「大腰筋なくしては体幹の安定性は得られない」と言って過言ではないほど重要な筋肉。

大腰筋は横隔膜とも連結部分があることも特徴。

横隔膜key.002

大腰筋と横隔膜の連結

大腰筋(だいようきん)

大腰筋(だいようきん)【123RF 写真素材】

【起始】
(浅頭)T12~L5の椎体ならびに椎間円板
(深頭)すべての腰椎の肋骨突起

【停止】
 大腿骨の小転子

【支配神経】
 大腿神経(L11~L4)

 

【運動作用】
①股関節屈曲
②腰椎の前弯をつくる
③腰椎を側屈させる
④抗重力筋として荷重時に身体を支える
⑤大腿骨頭を安定させる

 

 

 

 

 

体幹のインナーマッスルをトレーニングする上で
知っておくと良いポイント

体幹のコアユニットがなぜ大切か?

体幹のコアユニットと腹腔内圧

体幹のコアユニットと腹腔内圧【123RF 写真素材】

①横隔膜:上部
②腹横筋:側部
③多裂筋:背部
④骨盤底筋群:下部

これらの4つの筋肉はユニットとして機能しているので「体幹のコアユニット」とも言われます。

特に腹圧(腹腔内圧)をコントロールする上で、①〜④の筋肉がバランスよく働くことが欠かせません。

なぜ腹圧(腹腔内圧)が重要なのでしょうか?

お腹周り(腹部)というのは、骨による支えは後面の腰椎しか存在しておらず、その中には内臓が入っています。

腹部の安定性は筋肉の働きに依存している不安定な構造なのです。

この不安定性を補うのが腹圧です。
4つのコアユニットが上下左右の壁のようになり、腹腔内の圧を維持するようにしています。

腹圧が維持できないと、姿勢がくしゃっと崩れてしまったり排便時に十分に力むことができなくなるなど様々なトラブルの原因となります。

 

 

【補足】
「ちょっと腹圧がイメージしずらいな・・」という方はこちら↓

水の入っていない空のペットボトルを思い浮かべてみましょう。

体幹をペットボトルでイメージしてみよう

腹腔内圧をペットボトルでイメージしてみよう

ペットボトル全体を体幹部だとします。

①ペットボトルのキャップをしっかり閉めた状態で、ぎゅっと手で握ると?

この時には力強く握っても、ボトル内の空気が前後左右どちらにも逃げ場がありませんので(内圧が高い状態が保たれている)ので抵抗感が強いです。

 

②キャップを外して、ぎゅっと手で握ると?

するとどうでしょうか?
当然ですが、空気が上側に逃げてゆきますのでペコッとボトルが凹みます。

これは上側の壁がなくなった状態ですので内圧が維持できなくなったからです。

②の場合にキャップの部分を横隔膜だと考えてみてください。

横隔膜の機能が低下した状態で、どんなに側部(腹横筋)や底部(骨盤底筋群)を鍛えたとしても上側の壁が弱くて圧が上側に逃げていってしまうのです。

イメージはついたでしょうか?

要するに腹腔内圧を維持するには、腹部の上下左右の全てのインナーマッスルがバランスよく・タイミングよく機能している必要があるのです。

 

 

 

イメージしながら、弱い力でゆっくりとタイミング・バランスよく!

インナーマッスルはどのようにトレーニングするとよいのでしょうか?

インナーマッスルという筋肉の特性を理解すると効果的に行うことができます。

インナーマッスルの筋肉の構成は遅筋線維(Type1線維)といって、発揮できる力自体は弱いですが持続的に働くことが得意な筋繊維の割合が多いです。

トレーニングだからといって、力いっぱいに運動するとインナーマッスルではなくアウターマッスルが先行的に働いてしまう可能性があるので注意が必要です。

遅筋線維の特性を生かして、弱い力で(最大出力の30%程度)でゆっくりとした運動をするほうがよいです。

動きとしては地味で「こんなの意味があるのかな?」と思うような運動かもしれませんが、インナーマッスルを刺激するには必要なことなのです。

また、内側に存在している筋肉なのでなかなかその働きを最初は感じ取ることがしにくいため、筋肉の位置や動きをイメージしながら運動をするとより効果的です。

補足
この記事で筋肉の画像を多くいれて説明しているのはこのためです。

繰り返して画像で筋肉の位置や走行を確認することをオススメします!

コアユニットの部分でも説明したようにインナーマッスルは単独で機能はしていません。
各筋肉の協調性が重要なのでバランスとタイミングも大切となってきます。

【代表的な筋肉の協調関係】
・腹横筋と骨盤底筋群
・横隔膜と大腰筋
・腹横筋と多裂筋

 

 

インナーマッスルのトレーニングには
ピラティス(Pilates)が効果的

ピラティスをご存知でしょうか?

ピラティスはヨガと少し似たようなエクササイズで、最近では医療分野でリハビリとして取り入れるケースも増えてきています。

ピラティスはリハビリテーションが起源のエクササイズですから、高齢者や怪我をしている人に対しても負荷量を調整することで安全に効果的に行うことができます。

ピラティスの最大の強みは、体幹のインナーマッスルをバランス良くトレーニングすることができる点です。

人間の身体の構造に基づいて体系化されたピラティスエクササイズ。
呼吸法・イメージを用いてゆくことで、眠ってしまっているインナーマッスルを目覚めさせることができる非常に効果的な方法なのです。

*ピラティスについてはこちらの記事で詳しく説明をしています。

ピラティス(Pilates)とは? どんな効果があるの? -基本原則と予防医学の関係から-

2017.04.16

 

 

 

 

まとめ

体幹で重要なインナーマッスル5つの基本的な機能解剖とトレーニングのポイントついて解説をしました。

体幹は身体にとって土台となる部位です。
安定性を高めてゆくことはリハビリテーションからフィットネス・アスリートまで全ての人にとって多くのメリットがあります。

体幹の安定性向上を図るにはインナーマッスルをトレーニングすることが必須です。

【特に重要な筋肉】
①横隔膜
②腹横筋
③多裂筋
④骨盤底筋群
⑤大腰筋

効果的にトレーニングする際には以下のポイントを意識しましょう!

【体幹のインナーマッスルをトレーニングするポイント】
・弱い力で
・ゆっくりと
・筋肉の動きをイメージしながら
・バランス・タイミングよく

最初はなかなか自分で行うことは難しいかもしれませんが、繰り返してゆくことで確実に身体は変わってゆきますよ。

 

 

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