【肋骨骨折】原因・診断・症状と基本的な治療方法。-バストバンドについても解説-

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肋骨(ろっこつ)骨折はどうして起こるの?

高齢者は転倒で肋骨骨折をしやすい

高齢者は骨の強度が低下していることが多いので、転倒などにイベントがあるとどうしても骨折起こりやすいです。

【高齢者の転倒で骨折する頻度の高い部位】
 ・大腿骨近位部骨折 37.3%
 ・胸椎圧迫骨折               15.7%
 ・橈骨遠位端骨折          9.8%
 ・肋骨骨折     9.8%
 ・腰椎圧迫骨折   7.8%

このように、肋骨骨折も高齢者の転倒において頻度の高い骨折であると言えます。

 

若い人は事故などの外傷で肋骨骨折を起こす

若い人の肋骨骨折は交通事故や高いところからの転落などによって生じることが多い。

このような場合には、骨折部がはっきりと転位することがあり合併症に注意をする必要があります。

合併症については後から説明します。

 

肋骨骨折は疲労骨折の代表的な部位

疲労骨折とは、繰り返して同じようなストレスが骨に加わり続けることで引き起こされる骨折です。

例えば、ゴルフなどの体幹を捻る動作によって発生しやすいとされています。この場合、利き腕の反対側の第5~6肋骨が好発部位となります。

 

 

肋骨骨折の好発部位(起こりやすい場所)は?

肋骨骨折の好発部位

【肋骨骨折の好発部位】
 第4~第10肋骨(特に後側方部)

【理由】
・第1~3肋骨は鎖骨・肩甲骨に守られている。
・第11~12肋骨は胸骨から浮いているので可動性がある。

【その他】
・子供の場合は骨が柔軟で折れにくく、骨折していた場合は、虐待を含めた重大な外力を想定する。

 

肋骨骨折の合併症は?

転位の少ない肋骨骨折は特に問題にはなりませんが、強い外傷にて転位が大きい場合には合併症に注意する必要があります。

・第1~3肋骨骨折
☞縦隔・大動脈・肺挫傷・気胸などの胸腔内損傷の可能性

・第9~12肋骨骨折
☞肝臓・脾臓・腎臓損傷などの内臓損傷の可能性

・3本以上の肋骨が2カ所以上で骨折
☞動揺胸郭(フレイルチェスト)となり奇異呼吸となる

*上記のような重大な合併症を起こった場合には、緊急での治療が必要になる場合あります。
(胸腔ドレナージ・間欠的陽圧呼吸管理・肋骨固定術など)

 

 

肋骨骨折の診断方法は?

基本はレントゲン。でも注意点がある。

肋骨骨折のレントゲン  出典:Wikipedia 

胸部単純レントゲンによる肋骨骨折の感度は50%程度であるとされています。

つまり、単純レントゲンだけでは十分とは言えないということです。

特に、高齢者では転倒以外にも軽微な外力や咳などで発生し、転位のほとんどない肋骨骨折の場合も少なくありません。
(このような不全骨折の場合には初診段階では発見が困難で、場合によっては2〜3週間後に再度レントゲン撮影によって発見されることがあります。)

 

合併症を疑われる場合にはCT撮影

抗血小板薬や喫煙歴など臓器出血の高リスク症例には、合併損傷検索に胸部CTも追加で行う必要があります。

問診、身体身体所見、エコー、単純レントゲンで診断し、高リスク症例にはCT撮影。

 

 

肋骨骨折の症状は?

呼吸をするだけで痛い

肋骨は呼吸運動の際に動かす胸郭を構成しているので、呼吸運動をする際に痛みがでるケースが多いです。

また、肋骨に付着する筋肉(前鋸筋など)は上肢を動かす筋肉として作用するので、上肢を動かしたりすることでも痛みが生じます。

【痛みの出現しやすい動き】
・呼吸運動:特に吸気(息を吸う動作)や浅く速い呼吸で痛みが増強しやすい。
・咳嗽(咳き込み)やくしゃみ
・上肢(肩〜腕)を動かす動作
・体幹を捻る動作

 

合併症による呼吸困難

上記に説明した、肋骨骨折による合併症を起こしている場合には重大な症状が出現することがあります。

肋骨骨折によって肺が損傷されると、肺に穴が空いたり出血をする場合があるからです。

肺に穴があると風船に穴を開けたようなものですから、肺がしぼんでしまいます。
これにより息苦しいなどの呼吸困難症状が起こります。

重症な場合には胸腔ドレナージが必要となります。

 

 

肋骨骨折の治療は?

治療の基本

肋骨骨折の治療の基本は保存療法
(保存療法:手術などはせずに骨が癒合するのを待つこと)

 

治療の期間

骨折の治癒期間としては1ヶ月程度
(骨の接合が完成するまでには約2ヶ月程度かかる。)

 

痛みのコントロールが大切

肋骨骨折による痛みによって起こるトラブルを予防することが大切です。

特に高齢者の場合には、痛みによって胸郭の運動が制限されることで呼吸が浅くなってしまいます。

呼吸が浅くなってしまうと、痰などの気道分泌物がうまく喀出することができないために痰がつまっってしまったり、肺炎を起こす可能性が高くなります。

このような場合には痛みを薬でコントロールをします。
内服薬(飲み薬)で痛みが十分に抑えられない場合には、硬膜外麻酔を使用することも有効とされています。

*3本以上の骨折であれば入院。
 65歳以上、喫煙歴が長いなどの高リスク患者では硬膜外麻酔をはじめから行うことが勧められる。

 

 

肋骨骨折後のバストバンド使用。メリット・デメリットは?

肋骨骨折後の保存療法をする際に、よく処方されるのがバストバンド(胸部固定サポーター)

バストバンドを使用することで、骨折部が安定し痛みが軽減されるのであれば使用するほうがよいかと思います。

一方で場合によってはバストバンドを使用することによる圧迫によって痛みがでてしまうケースもあります。

「バストバンドを巻いていないほうが痛みが少ないし楽に過ごせる。」

「バストバンドを巻いていることで呼吸が息苦しい。」

このような場合にはバストバンドを使用すべきか少し迷います。

バストバンドで強く胸郭を締め付けてしまうと、確実に呼吸は浅くなります。
息苦しさを感じるのも当然ですね。

上記したように呼吸が浅くなってしまうことで、特に高齢者の場合には痰詰まりや肺炎を起こしてしまう可能性もあります。

つまり、バストバンドもメリット・デメリットがあり適切に使用されないとデメリットのほうが上回ってしまう場合があるので注意が必要です。

「医師に言われたから絶対にバストバンドを使用しなければならない!」と考えるのではなく、使用した状況・経過を少しみた上で本当にバストバンドが必要なのか検討してもいいのかもしれません。

骨折の状況にもよりますから、勝手な自己による判断ではなく適宜医師に相談をしてゆくということが現実的です。

 

 

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