腰痛予防に効果的!背柱の捻り(胸椎回旋)を引き出すエクササイズ

腰痛予防に対する考え方。
大事なポイントの1つは腰に負担をかけない動き方をすることです。

腰に負担のかかる動き方を反復していることが結果的に腰痛を引き起こします。

腰と一般的に言われる部位は腰椎で構成されています。
腰椎は単独で存在するわけではなく、脊柱という1本の身体の軸のなかの一部です。

本来、脊柱がバランス良く動けば腰椎に極端な負担はかからないはずなのですが、
その脊柱の動き方のバランスが崩れることが問題となります。

今回はその中で問題点となりやすい脊柱を捻る動作(回旋動作)について着目し、
脊柱の一部である胸椎部の回旋可動性を改善させるエクササイズを紹介したいと思います。

 

脊柱の一部である胸椎

脊柱は頚椎・胸椎・腰椎で構成をされています。
その中間に存在する胸椎には肋骨がついており、これらで胸郭を形成しています。

胸椎・胸郭.004胸郭は心臓や肺などの非常に大切な臓器を保護しています。

肋骨がついていて、大事な臓器がある部位だし、胸椎はそんなに可動性がある部位ではないというイメージが一般的にあるかもしれません。

また、普段の生活では「胸を動かす」ということは意識が向かないことが多いのではないでしょうか。

しかし、胸椎は脊柱の中間に位置するからこそ硬くなって可動域が低下すると上下の頚椎や腰椎へのトラブルを起こす原因となってしまうのです。

 

 

腰痛予防のために胸椎を動かそう!

スイング動作の多いスポーツなどの指導で
「腰からひねりましょう!」
「腰からグッと!」
みたいに腰部の回旋を促すような言葉がけを聞いたことはないでしょうか?

これはちょっと危険です。

そもそも腰椎は脊柱の中で捻る動き(回旋)が苦手な構造となっています。

構造的に捻れないものを無理やり捻じろうとしたらどうなるでしょう。
腰椎部に過剰なストレスが加わって損傷をしてしまう可能性があります。
これが腰痛の原因の一つとなっているのです。

一方で、腰椎の上に位置する胸椎は回旋には有利な構造となっています。
腰椎全体での回旋可動域が約5度であるのに対して胸椎全体では約30度あります。

つまり、捻る動作(回旋動作)をする際には胸椎の回旋をすることがポイントとなってくるのです。
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[/wc_column][wc_column size=”one-half” position=”last”]胸椎回旋エクササイズ.005

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座位姿勢で胸椎を正しく動かすための前提条件

人は普段は重力に抗して生活をしています、座位姿勢や立位姿勢などが抗重力姿勢と言われます。
抗重力姿勢で胸椎の動きを良くするためにはどうすればよいのでしょうか。

ただ胸を一生懸命動かせばよいわけではありません。
正しく胸椎を動かすには座位姿勢の状態における必要な条件があります。

土台となる骨盤・腰椎部が中間位を保持できていることが本来の胸椎の可動性を引き出すための前提条件となるのです。

誰でもよくやってしまいがちなダラッとした座位姿勢は重力に負けてつぶれたような状態であり、骨盤が後傾・腰椎は生理的な前弯が減少しています。

このような姿勢では、いくら頑張って胸椎を動かそうとしても十分な可動域は引き出せません。

図のような積み石をイメージしてみましょう。

一番下の石が不安定な状態であれば、どんなにその上に慎重に石を置いても不安定なままです。
さらに、その上に置く石はより不安定な状態になります。
エクササイズ.001この積み石を脊柱の椎体として考えてみると、骨盤・腰椎部が不安定であればその上の胸椎は不安定であり本来の力は発揮できません。
胸椎の上に位置する頚椎はさらに不安定となってしまいます。

つまり、座位姿勢(重力に抗する姿勢)では骨盤・腰椎部の安定性が重要であり、この安定な位置というのは中間位(ニュートラルポジション)といいます。

 

まずは良好な座位姿勢をつくる

この点については、他の記事で詳細に説明をしていますのでそちらを参照していただくとよいと思います。

※参考記事
良い座位姿勢を保つためのポイント 〜腰椎椎間板ヘルニアの予防の観点から〜

良好な座位姿勢に必要なのは腸腰筋と多裂筋の活動です。
いかにこの活動を持続的に保てるかという点がポイントとなります。

座位姿勢2.002

仙骨を立てて坐骨で床を押すようなイメージを持ち、頭は天井に伸びてゆくようなイメージをもつ。上下に脊柱が伸びるような感覚です。

この感覚がつくれると自然と体幹のインナーマッスルのスイッチが入り、腰椎の生理的な前弯が保持しやすくなります。

 

胸椎回旋を引き出すエクササイズの手順

ようやく本題のエクササイズです。

以下の手順で丁寧に行いましょう。

①骨盤を立てた座位姿勢をつくる
※両膝にボールを挟むと安定しやすい。

②上下に脊柱が伸び・両手は左右に遠くに伸びるイメージをもつ

 

③骨盤・腰椎部は安定を保ったまま胸椎部を回旋させる。
【+αすると良いこと】
・息を吐きながら回旋してゆくほうが可動域がでやすい
・常に②のイメージをしたまま

④ゆっくりと正面にもどる

 

 

ポイントと良くない例

最重要なポイントは、腰椎は回旋させずに胸椎で回旋をすることです。

よくやってしまいがちな良くない例はこちら
①左右の坐骨がどちらか浮いてきてしまう。
②腰をひねったり・反ったりしてしまう。
③首をひねりすぎてしまう。

 

これらの良くない動作(代償動作)をしてしまうと、腰や首に負担をかけることになってしまうので結果的に逆効果となってしまうこともあるため注意が必要です。

最初は胸椎を捻るという感覚はわかりずらく無理やりやってしまいがちです。
動かす範囲はわずかでも問題ありませんので丁寧に行いましょう。

 

 

まとめ

【最終目的】腰痛予防
       ↓
【考え方】腰椎に負担をかけないようにする
       ↓
【ポイント】回旋動作(捻る動き)の際に腰椎ではなく胸椎の回旋を引き出す
       ↑
【効果的行う条件】骨盤を立てた良い座位姿勢を保つこと

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