胸郭の柔軟性を高めて猫背を修正するセルフエクササイズ-胸椎伸展編-

胸郭は硬くなりやすい

胸椎・胸郭.004

胸椎・胸郭

胸郭というのは、腰の上に位置しており肋骨で覆われた部分です。
胸郭は背骨の一部である胸椎と肋骨で構成されています。

この部分は心臓や肺など人の生命活動にとって非常に重要な臓器がある部分ですので肋骨で守る必要があるのです。

この胸郭は日常生活において意識することは少ないですが、多くの人が硬くなりやすい部分なのです。

肋骨があって動かない部分であるというイメージが強いかもしれませんが、適切に動かしてゆけば胸郭の柔軟性は獲得できます。

今回は胸郭の重要な動きの中の一つである反らす動き(伸展動作)の柔軟性を高めるエクササイズを動画と画像にて紹介します。

まずは、胸郭(胸椎)の反らす動きがなぜ大切なのかを簡単に理解しましょう。

 

 

猫背と生活習慣

猫背姿勢

猫背姿勢 版権: / 123RF 写真素材

高齢者に限らず、猫背の人は若い人でもよく見かけますよね。

猫背は普段の生活習慣が原因であることが多いです。

最近はスマホを多くの人が使用していますが、スマホやパソコンを使用しているとどうしても猫背姿勢になってしまいがちです。

デスクワークの人が休憩中になにするかと思ったら、スマホをみています。

さらに、その人は出勤中も一生懸命電車でスマホを使用していたとしたらどうでしょうか?

1日のほとんどを猫背姿勢で過ごしていることになります。

これを繰り返していたら、どんどん猫背姿勢で固まっていってしまいます。

 

 

胸椎の伸展(反らす動き)はなぜ必要?

猫背姿勢というのは、背中が丸まっているような状態です。

これは上の図で説明した胸椎という部分が過剰に丸まってしまっているのです。

猫背姿勢=胸椎の過剰な屈曲(後弯)姿勢です。

本来、胸椎は屈曲している部分ですが、猫背の人は屈曲が強くなり固まってしまっていて必要なときにでさえも反らすことができない(胸椎伸展の低下)が状態になってしまっているのです。

このような状態になると問題がでてきます。
1つ例をあげてみます。

 

猫背と腰痛の関係

身体を反る動きをする際に、腰が痛くなってしまうことがあります。

腰がつまるというか、腰の関節がぶつかりあってこれ以上反ることができないといった感覚があるかもしれません。

これは胸椎の下の腰椎に負担がかかっているからです。

猫背の人は胸椎が伸展しにくくなっているため、腰椎を主に使って反る動きをしようとすることで腰痛になりやすいと考えられます。

以下の図を参考にしてください。

猫背と腰痛の関係

猫背と腰痛の関係

図の右側のように胸椎も伸展ができれば、腰椎に過剰なストレスがかからないような反る動きが獲得できるようになります。

今回は胸椎の伸展を引き出すセルフエクササイズを2つ紹介します。

 

 

胸椎の伸展を引き出すエクササイズ動画①

 

 

 

胸椎の伸展を引き出すエクササイズ①の解説

1)スタートポジション
・うつ伏せで、両手を肩の前について支える。肘は曲げた状態。
・額はマットにつけます。
*額の下にタオルを敷いてもよい。

スタートポジション

胸椎伸展エクササイズ①

2)両手で床を押すことで肘が下がり始める

3)上半身を頭の方から下へ順番にマットから離してゆく
【ポイント】
・腰は安定させて、反らないようにすることが大切。
・意識したいのは胸椎の伸展
・背骨が上下に伸びるようなイメージをつくること。

胸椎伸展エクササイズ①

胸椎伸展エクササイズ①

腰部が反りすぎないようにするためには、腹筋の活動の同時に必要になります。
つまり、上背部の筋肉と腹筋を同時に働かせてコントロールするエクササイズなのです。

4)ゆっくりとスタートポジションへ戻る

 

 

胸椎の伸展を引き出すエクササイズ動画②

 

 

胸椎の伸展を引き出すエクササイズ②の解説

1)スタートポジション
・うつ伏せで、両手を伸ばして体側に置く
・肩甲骨は力まずに下げる意識(腕を足に向かって下げる)
・額はマットにつける。
*額の下にタオルを敷いてもよい。

胸椎伸展エクササイズ②

胸椎伸展エクササイズ②

2)肩甲骨を寄せる

3)上半身を頭の方から下へ順番にマットから離してゆく
【ポイント】
・腰は安定させて、反らないようにすることが大切。
・意識したいのは胸椎の伸展
・背骨が上下に伸びるようなイメージをつくること。

胸椎伸展セルフエクササイズ.003

胸椎伸展エクササイズ②

4)ゆっくりとスタートポジションへ戻る

【補足】
エクササイズ①とエクササイズ②との違いは?

①と②は似ていますよね。
なにが違うのでしょう?

①の場合は上半身を起こしてゆく際に、両手で床を押してサポートすることができます。

一方で②の場合は両手が浮いた状態ですので上半身を起こしてゆくためにより一層背筋の活動が必要な動きになります。
また、②は肩甲骨を内側に寄せる動き(内転)を強調することも特徴です。

よって、難易度的には①のほうが低いのでまずは①からトライしてみましょう!

 

 

胸椎を反らせる胸棘筋に注目!

脊柱の筋肉.003

胸椎を伸展させる筋肉としては、脊柱のインナーマッスルである胸半棘筋がポイントです。

背骨を部分的に動かすためには、アウターマッスルのような大きな筋肉だけではなくこのような細かい筋肉の働きを活性化することが大切です。

 

 

まとめ

胸郭の柔軟性を高めるためのエクササイズとして、今回は胸椎を反らせる動き(胸椎伸展)について説明をしました。

現代の生活習慣病といっても過言ではない猫背姿勢の修正としても有効な方法です。

やってみるとわかりますが、腰が反らないように上半身を反らせるという動きは意外と難しいです。

胸椎を伸展させるためにはしっかりと背筋が働く必要があります。

背筋の筋力アップ(特に胸棘筋など)をしてゆくことで、胸椎伸展の動きが引き出され結果的に胸郭の柔軟性が高まってゆくのです。

 

胸郭の柔軟性を高めるにはピラティスがおすすめ

胸郭はどうしても硬くなりがちな部位です。

胸郭の柔軟性低下は様々なトラブルの原因になりますので、いかに胸郭の柔軟性を維持・高めるか?ということは非常に重要です。

胸郭の柔軟性を高める運動として「ピラティス」というエクササイズがおすすめです。

ピラティスをすることで確実に身体は変わってゆきます。

☞関連記事:ピラティスについて知りたい方はこちら

ご質問やコメントはこちらからどうぞ!