目次
まずはこちらの動画をご覧ください。
こちらの動画では、大殿筋とハムストリングスをトレーニングする方法を紹介しています。
お尻を持ち上げるだけの基本的な動きで簡単な方法ですが、その中で4つのバリエーションを紹介しています。
必要に応じてこれらをバリエーションを取り入れながらおこなうとより効果的なトレーニングになると思います。
大殿筋・ハムストリングスとは?
「大殿筋(だいでんきん)」「ハムストリングス」とは、股関節において重要な働きをしている筋肉です。
【位置】
・大殿筋:股関節の後面(お尻)
・ハムストリングス:太ももの後面
【作用】
・大殿筋:股関節の伸展・外転・外旋、骨盤の後傾
・ハムストリングス:膝関節の屈曲、股関節の伸展、骨盤の後傾
【このトレーニングで着目した動きは?】
大殿筋とハムストリングスで共通しているのは、股関節の伸展(足を後方に引く)という作用があります。
今回、動画で紹介しているトレーニング方法では特に股関節の伸展に着目をしています。
基本的な方法
【手順とポイント】
①仰向け姿勢
・膝を立てる
・左右の膝〜足部の幅を拳一個分程度スペースをあける
・両手は体の横におく
②ゆっくりとお尻を持ち上げてキープする(3秒間程度)
③ゆっくりとお尻を下ろす
このトレーニング方法で行いたい動きは、股関節の動きです。
特にお尻を持ち上げてゆく際に股関節伸展の動きを意識します。
股関節伸展の動きをするには、大殿筋やハムストリングスの働きが必要となってきます。
どちらかが単独で働くのではなく、両方が同時に作用をしてこの動きをつくりだします。
ちなみに、今回のお尻上げの運動はCKCと言われる動きです。
・CKC(Close Kinetic Chain)
閉鎖性運動連鎖。
四肢の末端が固定された状態で行う運動のこと
→共同的な筋収縮が起こることで関節の動きを安定させる。
・OKC(Open Kinetic Chain)
開放性運動連鎖。
四肢の末端が固定されておらず、末端が自由に動く状態での運動のこと。
→単関節の運動に適している。
バリエーション①
膝の間にボールを挟んで行う方法
小さめのボールを膝の間に挟んで行ってみましょう。
ボールを挟む理由はなにでしょうか?
目的は様々ですが、一つの目的としては左右の膝と膝の間隔を一定に保つことです。
お尻を上げてゆく際に筋力が弱かったりすると足がぐらついてしまう場合があります。
足がぐらついてしまうと、本来鍛えたい筋肉以外の筋肉を使ってしまったりすることがあります。(これを代償動作といいます)
このような場合にはバランスよく大殿筋・ハムストリングスが鍛えられないので、その代償動作を抑制するという意味でボールを使用します。
【注意点】
・ボールを挟む力は軽く。(ボールを床に落とさない程度の力)
バリエーション②
両手を天井に伸ばす
上の図のように両手を天井に伸ばした状態を保ったままで、お尻の上げ下げの運動をしてみましょう。
この目的は難易度のアップです。
基本方法では手は体の横に置いていました。
このときは、必要に応じて手で床を支えることができます。
しかし、両手を天井に伸ばした状態にすると手の支えがなくなるので、より一層下肢〜体幹でバランスをとることが求められます。
余裕が出てきたらトライしてみましょう。
バリエーション③
踵をお尻に近づけた姿勢で行う
次は、開始姿勢で足の位置を変えてみます。
踵をお尻に近づけた状態にします。(膝の屈曲角度を深くする。)
この姿勢で行うと、基本方法よりも大殿筋を優位に働かせることができます。
足の位置を変えることで、大殿筋とハムストリングスのどちらを優位に働かせるかを調整することができます。
大殿筋を特に鍛えたい場合にはこの姿勢で行うと効果が期待できます。
【注意点】
大腿直筋などの大腿部の前面にある筋肉が硬くなっていている方の場合には膝を深く曲げるこの姿勢は取りづらい可能性がありますので無理をしないようにしてください。
バリエーション④
踵をお尻から遠ざけた姿勢で行う
踵とお尻を遠ざけた姿勢にすると、今度はハムストリングスを優位に働かせる運動となります。
過度に踵とお尻を遠ざけて膝の屈曲角度が浅くなると難易度としても上がり難しくなってしまう場合がありますので注意をしてください。
まとめ
股関節の重要な筋肉である、大殿筋とハムストリングスのトレーニング方法としてお尻上げの運動を紹介しました。
まずは、基本方法を下記の注意点を意識しながら丁寧に行うことをお勧めします。
・股関節だけを動かす
・腰部は丸まったり・反ったりせずに中間位(ニュートラルな位置)を保つ
シンプルなことですが意外と丁寧に行うと難しいのです。
慣れてきたら紹介したようなバリエーションを交えて難易度や優位に働かせたい筋肉を調整してゆくとよいかと思います。
・股関節だけを動かす(股関節伸展の動き)
・腰が反ったり丸まったりしない
・多少手で床を押して支えてもよい